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ある意味で一世を風靡したほどの話題となった
ダークファンタジー漫画『逢魔の扉』の実写ドラマが
短編のお話とはいえ再び撮影されるとあって。
やや醒め始めていた推しの熱が再燃するのもたやすく、
それぞれ他作品への活動に散っていた4人の主役格の青年俳優らも、
日頃の仲の良さにそんな要素も匂わせているのではなんて、
共に行動していると妙に熱視線が飛んでくる今日この頃だったりするようで。
「芥川と敦は結構一緒にお出かけとかしてるんだろう?」
「はい。でもボクはあんまり顔は差さないはずなんですけどね。」
主役を演じるヒーロー役が変身した後のアクションを請け負う
“スーツアクター”を相変わらず自身の主軸として続けている彼なようで。
よって顔出ししないのが基本という活動なのに、
しかも話題作に出ちゃったもんだから
名前を出すと作品のコンセプトの外で騒がれちゃうかもしれんと、
最近のお仕事では名前は伏せて出ているのに。
判る人には判るのか、SNSなどでの“今日の敦くん”的な書き込みは減らず。
親も気が付いてなかったのにすごいなぁと、他人事みたいに感心していたりする。
そっちでそんななものだから、素顔で街歩きなぞしておれば まま気づく人も多かろう。
さすがに寄ってたかってと まとわりつかれるような迷惑行為は少ないものの、
それなりの視線が飛んでくるのは気も付くもので、
「オファーの通知こそ届きましたけど、
まだ顔合わせとか何も始まってはないんですのにね。」
放映は秋の終わりか冬の初めになるかなとの話だったが、
TV局の制作ではあれ、監督や監修には外部の著名な方々を迎えていたし、
脚本には原作者様の意向を優先との約定があるのだとかで。
そんな諸々のため、厳しい締め切りがあるでなしの自由も利いて、
その代わりに半端なやっつけ仕事にはならないだろうという期待も大きい。
何が何でも情報が欲しいとする周縁の方々による、
出演者よりも早く事情をつかんでいた執念もすさまじいが、
現場でももちろん活気が高まりつつあった。
撮影にかかわるスタッフもほぼほぼ同じ顔ぶれで固められた陣営により
まだ残暑も厳しい中、某ホテルの広間へ集められての催された “顔合わせ”は、
メディアに向けての起動報告を兼ねていたので、
主要な出演者たちと制作陣営の会見がまずは行われ、
そのあとは、マスコミをシャットアウトしたうえでの
関係者のみの談笑の場へと転じており。
本編とは設定というかシチュエーションが微妙に違っているので、
出演者はというと4人のレギュラー術師たち以外は
このシーズンのみにて出てくるという新顔の方々ばかり。
とはいえ、活劇巧者を集めたせいで、
本編では別のチョイ役だったお兄さんとかも多数いて、
そんな人たちとの再会に場が沸いてもいる模様。
「判る人には判るな、これ。」
「伏沼の隼人さんは人気だったから、すぐバレちゃいますね。」
「よせやい、前半であっさり退場したんだぜ。」
「転生したのかとか騒がれちゃいますよvv」
何せ、敦少年と中也はそもそも活劇ものに多く出ており、
敦は特に戦隊ものを中心に活動しているがため、
他の作品で顔を合わせることの多かりしな人がいっぱいという環境下。
なので、キャスティング発表、兼、顔合わせの場が、
ちょっとした同窓会みたいな空気にもなっていたりする。
シナリオ自体も、敦が演じる暁少年と中也が演じる槇の中将が中心となる
“過去回想”が多いめとなるせいか、
出番が少なめの太宰や芥川はややもすると肩から力を抜いている感もあり、
「俳優の集まりってのはもともと体育会系っぽい空気あるしねぇ。」
少し離れた位置から彼らのやり取りを眺めつつ、
他人事のような言い方をした太宰だったのへ、
「え? そうですか?」
芥川が意外そうな顔をする。
いや舞台の世界こそ特にそんな感じなんじゃないのかい?と
思いもよらない反応をされた太宰もまた、それこそ意外そうに目を見張り、
こちらはこちらで妙な呼吸での会話になっているところが面白い。
少なくとも“前世”ではこうはならなんだろうやりとりで、
それぞれが知己との挨拶を兼ねたまたよろしくねという声を掛け合っていた場に、
「…えと、あの…。」
恐る恐るという声音がこそり聞こえ、
え?と振り向いた敦が…誰もいない空間から視線をつつつっと下げてから、
自分の羽織っていたオーバーシャツの裾あたり、遠慮がちにつまんでいる存在に気付いた模様。
「あ、悠太くんだ。」
回想部に幼いころの暁が出てくるためか、
以前に芥川が演じる“鵺”の子供時代を演じた子を招いたのと同じ劇団から呼ばれたらしい、
敦に似た風貌の子供が母親らしい大人とともにスタジオ入りしており。
ご挨拶にとスタッフに引き逢わされて、
随分と照れまくっていたはにかみ屋さんなのが可愛らしかった。
「久しぶりだね。」
「はい。よろしくお願いします。」
敦本人とは別作品での面識があるらしく、
坊やの方でも顔見知りに逢えたと安堵したような気配。
これはちょっと関心もわいたか、太宰や芥川もすぐそばまで足を運んで来て、
頭がこちらの腹あたりという身長差なのをおもんばかり、
わざわざ腰をやや折って、目線を合わせてのご挨拶。
「初めましてだね。」
「あまり同じ枠には出ないようだがよろしく。」
「あっ、は、はいっ、よろしくおねがいしますっ。」
途端に真っ赤になるのが判りやすい。
お母様は出しゃばらない方針なのか、
口も挟まずただにこにこと笑ってておいでで、
失礼がない限りただただ見守っているだけというスタンスなのだろう。
そちらへも一応の会釈は向けてから、
「髪はウイッグなの? 皮膚がまだ弱いからブリーチとか痛むものね。」
「目の方は何となったら AI使ってもらおうね。」
話し続けられると、
さすがに有名な顔触れが間近へ寄ってきたのへは圧倒されるものか、
あわあわと敦の背中に隠れようとするところがまた可愛い。
そんな彼の小さな肩に腕を回し、
「大丈夫だよ、皆さん優しいから。」
日頃は最年少で弟扱いなものが、
お初の弟分ということからか、それは可愛がっているようで。
見ている側が微笑ましくなるよなお兄さんっぷり。
「ちょっと見ないうちに大きくなってという、
大人の言いようが今はよく判ります。
子供って思いがけないくらい大きくなるのが早い。」
鵺の子役だった少年も、時々会うがそのたびに背が伸びているわ、
こないだなぞ声変わりが始まっていて、
いやに精悍な青年へ転じようとしかかっているらしく。
その辺を苦笑した芥川だったのへ、太宰も苦笑が絶えない様子。
「あの劇団出身なら、まあ間違いはなかろうね。」
お行儀や礼儀のみならず、芸能人としてのわきまえというか、
上下関係やら個性的なお相手への気遣いとか、
個性的で通してはいけないこともあるという辺りを、
ちゃんと仕込まれているのだそうで。
「そいや、太宰さんも同じ劇団に。」
「そう。芥川くんは私の先輩さんなんだよ。」
「何言ってますか。」
「???」
実をいや、太宰は中学生になってから俳優を目指そうと動き出した身なため、
赤ちゃんモデルだった芥川とは芸歴ではかなりの後輩、
だがだが実際の年齢では逆転というややこしい間柄。
こういう現場では芸歴が優先?されるものの、
学力が飛びぬけていた太宰には、
学童扱いな面もあった集まりの場では先生となって勉強を見てもらったりもしと、
なかなかややこしい間柄だったりするらしく。
「舞台の『凱旋門の童』で当たった凱くんとか、
わざと先輩呼びしてからかってますものね。」
「あっはっは〜vv」
やはり子役出身で、今は芥川と並んで海外公演で主役を張るほどの青年男優を相手に、
芸歴では大先輩で…なんて言って困らせているとかどうとか。
to be continued.(26.08.21.〜)
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*6月に一応の打ち止めとなってたお話です。
あまりの炎暑に干上がりつつ、
色々と妄想を練ってはいたんですが、なかなかまとまりませんで。
番外編もいいところ、経路も違う設定なので、
元の路線のお話のほうがいいかな?と思わないでもなかったんですが…
ぼちぼちと進めるつもりですので、よろしかったらお付き合いくださいませ。

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